トランスフォーマー

吹き替え版見てきたー。これはもうね、TFファンなら見ておけ。TFファンほど気に入らないとも言われてたけど、完全に逆。初代アニメで育ってダイナザウラーをクリスマスに買ってもらえなくて泣いた*1記憶が未だにあるほどのファンであるわたしが言うんだから間違いない。おすぎ氏が色々ツッコミながらもやたらベタ褒めして「この映画を楽しめない人は、映画を楽しめない人だと思います」とまで言ってたけど、その理由がわかった。
とはいえ欠点が皆無というわけではなく。まずあのデブハッカーはまったくいらなかったんじゃないかなぁ。小説版だとマギーに淡い想いを寄せてたり古いPCを直して航空支援を要請するとこももっとドラマチックに描かれてたけど、映画じゃばっさばっさと切られてたし*2。あとはやっぱり戦闘シーンの見難さ。あのハンディカメラみたいな映像は臨場感を出す+CGの嘘臭さを消すために意図的にやってるんだろうけど、ちょっとやりすぎに感じた。最終決戦は言われてるほど誰が誰かわからないってことはなかったんだけど、バンブルビーバリケードの夜間戦闘がヤバい。初めてのオートボットディセプティコンの戦い+いつの間にか決着が付いてるのもあって、ひたすら何が起きているのかわからなかった。
以下ネタバレ込みで、登場TFについて色々語っちゃってます。


オプティマス・プライム
基本的に優しく逞しく、地球の命にも敬意を払ういい人なんだけど、微妙に空気が読めなくてせっかちで考えなしの行動を取っちゃう*3ところが実に総司令官殿。玄田哲章氏の声と相まって、予想以上に『コンボイ司令官』として受け入れられた。戦闘中でもいちいち会話する時にはバトルマスクを外して、終わると着け直す律儀なとこがちょっと可愛い(笑) 最後に全宇宙のオートボットに地球に来るよう呼びかけてたけど、これが元でまたトラブルが起こるんだろうなぁ……しれいか〜ん(笑) ボーンクラッシャーを倒すときの剣がすごく格好よかったのに、あれを再現してる玩具皆無なんだよなぁ。


バンブルビー
オートボット側の実質的主役。ラジオで意思疎通を行ったり、自分をサムに買わせるために衝撃波で中古車屋壊滅させちゃったりサムとミカエラをいい雰囲気にするために色々お節介なことしちゃう辺りがお茶目。ラストでサムのそばにいたいと訴えるのはよかったけど、声がなんかおっさんでちょっと驚いた*4バリケードを行動不能にしたりデバステーターのスパークを撃ち抜いてとどめを刺したり、実は戦闘でも結構活躍してたり。しかし自分も応援したこととはいえ、ボンネットの上でいちゃつかれるのはどんな気分だろうか。


・ジャズ
真っ先にスポーツカーをスキャンしたりトランスフォームの時に踊ったり「なかなかいい星だな」って廃車の上に腰掛けたり、オートボットのムードメーカー的存在だった。バンブルビーが人間に捕まった時は気にかけてたのに、スタスクのミサイルで吹っ飛ばされた時はリアクション無しであまつさえサムにどいてって言われてたのはご愛嬌。メガトロンに捕まりながらも大口叩いて攻撃するところはよかったけど、あの死に方は……・゚・(つД`)・゚・


・アイアンハイド
あなた本当はディセプティコンなんじゃないですかと言いたくなるくらいの過激派。サムとミカエラ相手に腕のキャノンを自慢しだすし、チワワも親も消し飛ばそうとするし言動が物騒すぎる。出番自体はそうなかった気もするけど、その過激な言動と対デバステイター戦のアクションで印象に残った。最後はレノックス大尉の愛車になることにしたみたいで、なるほど実直な軍人の大尉とは気が合いそうだ。


・ラチェット
「フェロモン値から推測するに君はメスと交尾したがっている」が全て。一番見せ場なかったTFな気がする。


・メガトロン
「俺様はメガトロンだー!」にはなんか気が抜けた、色んな意味で(笑) 初代と違って結構武闘派で暴れ者な印象。スパリンガル様が近いかな? 復活するまで溜めに溜めた分復活後はまさしく大暴れだった。一番格好よかったのは、オプティマスに「ならば貴様も、下等な生命体ごと滅びるがいい!」って言いながらフュージョンカノンを展開したところ。F-22の集中砲火でふらふらになったり意外にあっさり死んだり、最期は微妙に情けなかった。


スタースクリーム
目覚めたメガトロンに状況を報告した途端に、「またしくじりおったなスタースクリーム!」とどやされたかわいそうなNo.2。アイアンハイドとラチェットをまとめて戦闘不能にしたりF-22をぽこぽこ撃墜しまくったり、強い強い。どさくさに紛れてちゃっかりメガトロンにミサイルぶち込んでた辺りは実にスタースクリームっぽい。最終決戦ではいつの間にか逃げ延びたみたいだけど、続編でガルバトロンにあっさり殺されるのかなやっぱり。


・ブラックアウト
いきなりカタール基地で大暴れして、TFの脅威をレノックス大尉達と観客にこれでもかと見せ付けた名役者。招集をかけられた時の「メガトロンに栄光を!」という言葉にメガトロンへの忠誠心が窺える。最終決戦でもサムを追いかけてローターで切り刻もうとしたりアイアンハイドと戦ったりして結構しぶとく生き残ってたけど、レノックス大尉にスパークを狙い撃ちされて結構あっさり逝ってしまった。しかしカタール基地の生存者がレノックス大尉の部隊以外なしってことは、相当執念深く他の逃げようとした兵士達も追撃したんだろうな……おそろしやおそろしや。


バリケード
知性派かと思いきや、正面からサムを脅迫して眼鏡の在り処を聞いちゃう単細胞っぷり。これでスタースクリームに次ぐ実力者で策謀家だっていうんだからディセプティコンってば。それでバンブルビーに一度はやられちゃうんだからなぁ(笑) 最終決戦では復活してボーンクラッシャーやデバステイターを先導して、その後いつの間にかフェードアウト。小説版じゃボーンクラッシャーの直後にオプティマスに瞬殺されてるけど、こっちでは続編への布石になりそうな予感。


・デバステイター
何故か玩具から名称変更された戦車の人。ただ出てきて暴れるだけだったけど、戦車という一際市街地では違和感がある形態とオートボット+特殊部隊を相手にした大立ち回りで意外と印象に残った。最期もバンブルビーにスパークを撃ち抜かれて死んで、レノックス大尉にTFの弱点を教えてブラックアウトを倒させる布石になったし。


・ボーンクラッシャー
出てきた・戦った・死んだな奴。ハイウェイで邪魔な車をアームで掬い上げて排除するのがド迫力だったのと、オプティマスとの戦闘でちゃんと背中のアーム使ってくれたのがよかった……かな。


・スコルポノック
無口で冷酷な砂漠の殺し屋。一番“怖い”TFだったと思う、あれは子供泣く。暴れるだけ暴れて不利とわかるとさっさと逃げて*5、最終決戦には駆けつけずに生き残った辺り意外とちゃっかりしているのかもしれない。まあブラックアウトに回収してもらった形跡もないし、カタールからアメリカまで地中を掘り進むことを考えたら駆けつけなかったのも無理ない(笑)


・フレンジー
今回のディセプティコン一番の功労者。他のメンバーが考えなしに暴れる奴らばかりな分、諜報や裏工作を一人で担ってた。なんか動作にいちいち愛嬌があってかわいいんだよなぁ、ハッキングを阻止されてモニターに頭打ち付けたり飛行機から降りた時フライトアテンダントっぽい歩き方してたり、柱の影で二挺拳銃をやたらケレン味たっぷりのポーズで構えたり(笑) 

*1:結局その後買ってもらったけど。実家にまだあったりする。

*2:ノベライズの作者が「このままじゃこいついる意味なくね?」って思って付け足したのかもしれないけど。

*3:たとえオールスパークが消えたとしても長年の苦労が無駄になったメガトロンは暴れ狂うだろうし、そもそもスタスクが人類に報復するに違いないとゴーストオブイエスタデイで考えてたのは司令官本人だし。

*4:原語だとちゃんと若造っぽい声らしい。

*5:小説版によると、ブラックアウトを撮影したカメラを破壊するという主任務は終わってたみたいだけど。