仮面ライダー THE NEXT

映画の日を利用して観に行ってきたー。平日+ちょっと場末の映画館っていうの除けても、がら空きなのが悲しかった……


まず最初に。

※V3の活躍を期待して観ると、「金返せ!」って怒鳴りたくなること請け合いです

  • 続き物だけど、前作とは雰囲気がまるで別物。THE FIRSTが肌に合わなかった人も、騙されたと思って観てみるといいかも。もちろん特定スタッフが死ぬほど嫌いな人にはなに観ても同じだろうからお勧めしないけど。
  • 今度はホラーと聞いてどーせホラー風味なだけだろーと思ってたら、なかなかどうして結構本格的にホラーしてた、リングとか呪怨とかの方向の。田崎監督こういう演出もできるんだなー。でもわたしがそういうホラーを面白いと思えないタイプの人間だから、その意味では前作よりちょっと評価が落ちるかも。挿入歌のCD買う気が欠片もなくなったって点じゃ効果的だったんだろうなぁ。
  • アクションは横山誠氏アクション監督なだけあって、相変わらず超絶。牙狼やTHE FIRSTでだいぶこの手のアクションを特撮で見るのにも目が慣れたけど、それでもすごいわ。何人か死人出てるんじゃないかと思うくらい(笑)
  • VFX協力で円谷プロが参加してて驚いた。そういや嶋田久作氏と森田猛虎氏もネオスに出てた(偶然です
  • ラストのアレは……白倉Pだったか田崎監督だったかがインタビューで「なんで素直に終われないんだろうね」って言ってたけど、ほんとだよ(笑) 本筋とは全く関係ない、スタッフのお遊びもしくは皮肉と解釈しております。

以下ネタバレでキャラ等について。



ちょっと世間知らずでぽややんだった大学院生は、2年の間修羅場に揉まれて筋金入りのヘタレになってました。ていうか真剣に駄目な大人になっててちょっとショック……(笑) ただ、ショッカーとの戦いになると急に締まった顔付きになるところは、黄川田将也氏の名演が光る。ストーリー上では、琴美と風見と一文字がメインになって動かしてたのでほんとに狂言回しみたいな役割。最後には舞台になった場所を去っていくのもそれっぽい。
桜島1号をモチーフにしたスーツは、傷跡が多数付いてる上に今回もチェーンソーで斬られたり走るトラックの上から地面にガリガリやられたり鋏で斬られたりしてたので痛々しさ満点。最後のライダーキックが、黄川田氏が顔出しでやってるのにすっごく格好よかった。ありえないくらい脚長くてライダーキックが決まってる決まってる、ここまで格好いいと憎らしいわ(笑)

本郷のピンチに二度も素晴らしいタイミングで駆け付けたり、かつての自分と同じ空っぽの誇りにしがみ付いてる風見を貶して動揺させたり7割くらいおいしいとこ一人で持ってっちゃった。ていうか貴方格好よすぎです。実はこっちが主役じゃない?って脇キャラは数多あるけど、主役でない位置でしか出せない格好よさを出しまくりなのはさすが男女の愛より男の友情大好きな井上氏。キザで刹那的なところは変わってないけど、リジェクションの苦痛に耐えて死の恐怖と必死で戦う姿と、本郷との友情を命よりも大切にしているのがとにかく切ない。ラストの「無理するなよ、お前友達なんて俺くらいしかいないだろ」「そう言うお前もな」はすごくいいやり取りだった。
2号ライダーは怒涛の連続攻撃でショッカーライダーを蹴散らしてチェーンソーリザードを瞬く間に追い詰めるところと、直後の吐血が一番印象的。やっぱり美味しい立ち位置だなぁ……(笑)

今作の実質主役その1。改造前のいいお兄ちゃんっぷりと、改造後の力と優越感に酔いまくりな姿のギャップが印象的。とはいっても琴美と接触したりChiharu絡みの陰謀を知ったり一文字の言葉に動揺したりで、割とあっさり崩れてくけど。思ったほど本郷とは対立しなかったなー、尺と状況の都合で。妹や自分のような悲劇を繰り返さないと決意して、Chiharuの望みを聞いてその手でとどめを刺して、本郷に「生きていきますよ、あなたのようにね」と言ったことで、本当に風見にとっての新しい人生が始まったんだなと思った。これからは一文字に続いて本郷の心強い味方になってくれるだろうけど、リジェクションは心配ないのかなー。最新型のナノロボット改造人間はリジェクションなんてとっくに克服してるのかもしれないけど。
V3自体は、最初に書いたようにあまり活躍はなし。それでも屋外へ吹っ飛ばされた2号をハリケーンで大ジャンプしながら空中キャッチして、そのまま乱入するところは鳥肌ものの格好よさだった。あとV3反転キック! あの技をワンカットで見せるなんてスタッフは頭おかしいですごめんなさい格好よすぎます。V3単体の見せ場じゃないけど、ついに揃った3大ライダーが次々ファイティングポーズを決めるところも燃えた。余談だけど、炎に包まれるV3はイメージ映像だと思ってたらほんとにあって驚いた。

  • ショッカー

ノロボット作戦さえ成功すればもうこそこそ隠れる必要もないからか、前作ほど機密保持に気を使ってなかった。本郷襲撃の時も一緒にいた琴美にチェーンソーリザード「こんな夜中に出歩くものじゃない」って言っといて完全放置だったし、最終決戦でもレストランの客の前で堂々と戦闘員達が出てきて追い払ってたし。廃棄水槽にゴキブリがいたけど、あんな何捨ててるかわかったもんじゃないとこにいたらそのうち怪人化するんじゃないか。

今作の実質ラスボス。首領の演説を一段高いとこで聞いてたり現場指揮を執ったりで幹部クラスだったのかな。身軽なアクションでライダーを翻弄しまくって、なかなか強敵ぶりが板に付いてた。監督にやりすぎですって注意されたくらいの田口トモロヲ氏の怪演も印象に残った、戦闘員とショッカーライダーに「行けー!」とか「かかれー!」とか命令したり、一番昔の怪人に近いイメージ(笑) 会社員の首を壁越しに斬り落とすとこは本人が入ってたらしい、すごいなー。

とにかく改造前と改造後のギャップが恐ろしい。やっぱりホラーにはチェーンソーだなー、ショッカーライダーの足を斬り飛ばしたのにはちょっとびびった。

  • ショッカーライダー

ちょっとしぶとい戦闘員程度の扱いだったのが残念。多人数で連携しながらの流れるようなライダーキックとか、爆弾ダーツを使ったバイク戦は格好よかったけど。あ、チェーンソーリザードに片足斬り飛ばされても何事もなかったかのように平然と1号に襲い掛かるのがなかなか壮絶だった。

  • 菊間琴美

今作の実質主役その2。MISSING ACEに出てたとはいえよく石田未来氏出てくれたなぁ。一見乱暴だけど実は周りの生徒より純粋で友達思いなところがよく出てたと思う、風見に説教までかますし。しかし14歳の母といい私たちの教科書といいこれといい、もうすっかりちょっとズレて疎外されてる学生がハマリ役だ。別人でしたー色んな意味で人を見る目がないの丸わかりですね。

  • Chiharu

今作のキーキャラ。本来なら改造に適合してたのに、配電盤に突っ込んだせいで電気でナノロボットが異常を起こしてああなったって解釈でいいのかな。本来ならどんな怪人になってたんだろ、デストロン怪人であんな触手持ってた奴……は、ハンマークラゲ? しかしあの精神体だけを飛ばす能力はショッカーも未確認だったんだろうか、もし知ってたらたとえ失敗作でもぞんざいに捨てたりせずに、調べ尽くして次に活かしそうなものだけど。

  • 教頭&社長

キャスティングのコンセプトが『ショッカーには一見普通の人、一般人には見た目からして怪しい人』らしいけど、この二人ほんとに存在感あったわ。特に嶋田久作氏演じる社長、殺されるまでショッカー関係者だと思ってた。