小さき勇者たち〜ガメラ〜

観てきたー。率直な感想は、イマイチ以上まあまあ未満って感じ。ただ、決して悪い映画ではなかった。おおっ!って思う場面は結構あったしストーリーも嫌いじゃないし。
金子三部作と比べるのは、中華料理とフランス料理を好き嫌い以外で優劣比べるのと同じくらいアレな行為なので置いとくとして。子供向けに作ってるのはいいけど、それにしてはちょっと気になるシーンとかが多かったなーっていうのも事実。
まず『巨大生物対策審議会』とか一ツ木参事官や雨宮教授の描写。ここだけ変に金子三部作を引きずってるようで、正直違和感があった。最後は結局よくあるタイプの『純粋な子供達の想いを踏みにじる悪いオトナ』みたいな描かれ方されちゃったし。自衛隊が出動はしてるのにまったくジーダスと交戦しないのも違和感あったし*1、いっそリアリティが皆無になってでもその辺の描写は取っ払っちゃってもよかったと思う。ガメラが巨大化するのは子供達を守るために、でも理由としては十分だし。
あと、遭難した人の浮き輪が沈んで、直後にどばーっと浮き輪と一緒に血が浮いてきたりジーダスが逃げ場失った人をグッチャグッチャ貪り食うのは、個人的にはジーダスの凶暴さや残虐さがすごく感じられてよかったと思うけどこの映画の方向性を考えるとちょ〜っとやり過ぎかなーって感じも。
特撮面では、伊勢での小ガメラジーダスが面白かった。力では到底敵わないけど、橋を利用して近付けないようにして、伸ばした舌を掴んで引き戻す瞬間に零距離で火炎を当てるガメラが頼りないけどかっこいい。名古屋決戦が延々ボコられる→石をもらってからはあっという間に勝ちなのは残念だったけど、回転ジェットも火球も迫力あったからよし。しかし、ジーダスが火球が当たった瞬間に爆発せずに一拍置いて爆発するのがなんかウルトラマンみたいだった(笑)
ジーダスは目立った特殊能力もないし飛び道具も無い*2けど、未熟なガメラが戦う怪獣としてはこれ以上無いくらい適役だったと思う。ガメラを嬲るように攻撃したりいやらしさが動きに滲み出てた(笑) 適度な大きさのおかげでビルに張り付いたりができるのはよかったなー。尻尾に噛み付いてるガメラを、百貨店に登って落ちながら回転する勢いで吹き飛ばしてビルにめり込ませたシーンは一番のお気に入り。
一番笑ったシーンは、トトを収容してる施設が「ジーダスが名古屋港に上陸しました!」直後にジーダスに破壊されたとこジーダスの移動が速すぎるのか施設がものすごく名古屋港の近くにあったのか情報伝達が遅れてたのか……(笑)
そんな感じで、細かい所で不満はあるし手放しで褒められる出来じゃないけど酷すぎて見られないほどじゃなかったなーって感じのイマイチ以上まあまあ未満だった。上にも下にも突き抜けたところが無い分、話題にはならないだろうなぁ……

*1:一ツ木参事官が裏から手を回したのかもしれないけど。

*2:元々ただのトカゲがギャオス細胞で突然変異起こしただけだしなぁ……