突入せよ! あさま山荘事件
気高き理想を持ちながらも周囲を巻き込みながらハタ迷惑な暴走を続けて、終いにはクラッシュした日本史に残るド馬鹿イカレ集団・連合赤軍。そんな奴らが起こした最も大きくハタ迷惑な事件であった、あさま山荘事件について佐々淳行氏が書いた回顧録の映画化作品。昨日MBSでワールドカップの裏番組としてひっそりやってたのを視聴。
佐々氏のいわば自慢話の集まりみたいな本が原作なので、犯人側の描写は皆無。おまけに場面が頻繁に飛び飛びして進んでくから、現実のあさま山荘事件の流れを知ってるか原作を読んだ人人じゃないとついてくの大変だったんじゃないかなー。長野県警の本部長が突入作戦中にトイレに行きたくなって、みっともない姿をマスコミに晒せないから機動隊の盾に囲まれてその辺にしに行ったっていうとこまで忠実に映像化されてたのに笑った。伊武雅刀氏ってこういうヨゴレ役もよく似合うよなぁ(笑)
警察庁と地方警察の縄張り争いや上層部の優柔不断と遅い決断に翻弄され、次々現場で犠牲が出ていく様は壮絶の一言。いざ作戦決行の段階になっても段取りの悪さや連絡不行き届きで何度も窮地に陥ったり*1、硬直化した組織というものの弊害がよく描かれてた。今の警察にはこういう事件専門の特殊部隊がいるけど、もしもう一度こんな事件が起こったら同じようなことになりそうな気がする。
余談だけど、ワールドカップと交互にこの映画を見てたらしい両親が「実際の生中継見てたからなー」と言ってて、世代の格差というか生きてきた時代がやっぱり違うんだなーということを今更ながらに実感した(笑)
- 作者: 佐々淳行
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1996/06
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