Fate/stay night #最終話「全て遠き理想郷」

いやー、本格的に見始めたのはアーチャーがUnlimited Blade Works発動して脱落する辺りからだけど面白かった。特に最終回は作画が美しくて素晴らしい。
青画面にテロップだけはなんか映画の始まりっぽくてよかった。この歳になっても映画館で配給マークが出てくると胸が高鳴る人間ですから。その後の死ね死ね連発はちょっとびっくりしたけど、こんなの死ね死ね団のテーマに比べればまだまだ序の口だぜー(比べる対象を間違っています
「初めっから策なんて持ってねぇー!」
士郎、それ威張るとこと違うから!
「貴方は、私の鞘だったのですね……」
「彼女が夢見た理想郷……その名は!」
「「アヴァロン!」」

ここは盛り上がった、ゾクゾクするくらい。2人が手を伸ばして、同時に鞘を掴んで光に包まれるのがいいね。
アヴァロンでエヌマ・エリシュを弾き、次が来る前に一気に懐に飛び込み、鎧に回していた魔力をもつぎ込んだ渾身のエクスカリバーギルガメッシュを一刀両断! いやー、作画も超絶素晴らしいし展開は熱いしセイバーは凛々しく雄々しいし言うことなし。防御を捨てた究極の一撃っていうのはやはり燃える。やってるの主人公じゃなくヒロインだけどセイバーって燃えキャラでいいもんね(何)
士郎もアンリ・マユの泥を避けながら突っ込み……ってそんな軽々避けられるなら最初から避けようぜ士郎!(笑) 「言峰綺礼いぃーっ!」でアゾット剣を突き刺し、一回転して拳を叩き込んで「レストォー!」で魔力を解放するのは無駄に格好よかったけど。
「憎らしい女だ……最後までこの俺に刃向かうか……。だが許そう……手に入らぬからこそ、美しいものもある。ではな、騎士王。いや、なかなかに楽しかったぞ……」
結局ギル亀って、いいとか悪いとかいう一般人の持つ価値観とはかけ離れたところにいて、決して折れず曲がらず『自分がやりたいことをやりたいようにやる』っていう究極のオレサマ以上でも以下でもなかったんだなぁ。そこが士郎達から見たらとんでもねー悪人にも関わらず、なんだか憎めない理由なんだろう。最期は潔いし。
潔いと言えば、自らの業で死んでいくことに気付いて自嘲する言峰もまた。こいつも異常者だけど異常者なりに真っ直ぐぶれずに貫き通したから、死に際がよく見えるなぁ。ギル亀共々間違ってもお知り合いにはなりたくないですがっ
「聖杯を破壊します。マスター、命令を。あなたの命がなければ、あれは破壊できない。最後の令呪を使ってください。……シロウ、貴方の声で聞かせて欲しい」
いつも通りサーヴァントの立場から言ってるんだけど、最後の言葉がアルトリア本人の心からの言葉で、それが切ない。
俺はセイバーを愛している
誰よりも幸せになって欲しいと思うし、一緒に居続けたいと願っている
けれど……
本当に彼女を愛しているなら、それは違う
傷つき、それでも戦い抜いたセイバーを愛した
彼女の誇りを汚すことだけは
してはならない―

士郎の葛藤。聖杯を壊せばセイバーはいるべき時間へ帰ってしまう。それでも自分の理想、そしてセイバーの理想と願いのために最も辛い決断を下す士郎はいい男だ。これで思慮の浅いどころか皆無な特攻癖さえなければなぁ……(まだ言うか
振り下ろされたエクスカリバーで聖杯は砕かれ、その衝撃でセイバーの髪が解ける。ここは、このセイバーの絵だけは原作よりも優れていると思った。朝焼けが辺りを照らす中、風に髪をたなびかせて佇むセイバーの美しいこと。
「これで終わったのですね」
「ああ、これで終わりだ」
「あなたの剣となり、敵を討ち、御身を守った。この約束を果たせてよかった」
「そうだな。よくやってくれた」
「最後に一つだけ伝えないと……
 士郎、あなたを愛している

最後までセイバーらしい、真っ直ぐな告白と別れの言葉。くぅ〜、やっぱセイバー男気あって格好いいよ、ホント。士郎が言った「ああ、本当にお前らしい」はまさにその通りかと。
士郎に、桜に、大河に、イリアに、凛に、そしてセイバーに……時間も空間も越えて、“同じ風”が吹く。ここでやられた。その情景がすごく綺麗で、グッときた。いいなぁ、こういう絵で語るのも。
そして士郎は一歩踏み出し、セイバーは悔いを残さず死んで終わり……なんだけど、結局この後士郎は歪んだ理想抱えたまま突っ走った挙句、紛い物の英雄になって全てを失って無様に死んでアーチャー・エミヤになるのかと思うとなんかなー(笑)