ウルトラマンメビウス #32「怪獣使いの遺産」

う、う〜ん……なんというか、単体の話としては悪くはないんだけど、『怪獣使いと少年』の続編としてもウルトラマンメビウスの第32話としても違和感があった感じ。特にメビウスの一エピソードとして見ると厳しいのが……これはマックスでやった方がよかったんじゃないかなぁ、全編年寄りの愚痴垂れ流しっ放しで実相寺演出と濃いゲスト俳優しか見所がなかった『狙われない街』よりは面白かったし。
リュウがいきなりビオを撃っちゃうのは、違和感はあるけどまあ許容範囲。前回のロベルガー襲来で、メビウス抹殺を企んでいる何者かの存在はGUYS隊員にも知れ渡ってるし。しかし、ウルトラマンに変身する隊員が仲間に「テレパシーです!」とか言うのはすっごい斬新な台詞だなぁ、中盤で正体を明かして共に戦うことになったメビウスならでは(笑)
メイツ星人自体は地球と和平を結ぼうと思ってるんだろうけど、ビオの意志はどうにも怪しいなーと思うひねくれたわたし。だって父親の死に関わる因縁の怪獣をわざわざ地球から拾ってきて10年かけて改造して、それを持って再び地球にやってくるなんて怪しすぎな態度だし。あのままリュウが撃たなくても、「地上の20%寄越せ!」「そんなことができるわけないだろうがぁ!」「ならばこちらのやり方でやらせてもらおう!」になった可能性は高そう。
そんなビオの凍り付いた心を溶かしたのは、次の世代を担う子供達。パン屋のお姉さん以外まったく救いが無かった『怪獣使いと少年』に、30数年越しに救いを与えるには純粋な子供に託すしかなかったんだろうなぁ。近くでメビウスが戦ってる音や声が聞こえてるのに呑気に語り始めちゃう延長先生には吹いた、アンタ呑気すぎ!(笑)
豪雨の中での戦いはよかった。雨に濡れたゾアムルチが、ムルチと同じぬめぬめ感を出していて素晴らしい。やっぱり水濡れ特撮もいいなぁ。しかし、今回最大の被害者ってビオでもリュウでもミライでもなく、地球で大人しく暮らしてたところを拉致・改造されて、ビオの憎しみにシンクロして暴れる怪獣兵器にされた挙句そのビオから「倒してくれ!」なんて言われて倒されたゾアムルチだと思う。
最後の「良少年は楽しそうに掘っていた」というのだけは駄目、これはいけない。良少年が宇宙船を掘り返してメイツ星に行こうと思ったのは、郷さんも言ってたけど自分を認めず大切な人をも奪った地球と地球人を見捨てたからだし。それを楽しそうというのはちょっと……
さて明日はテッペイの主役話でフェミゴン登場。あんまりフェミゴンっぽく見えないんだけどなー(笑) そしてその次はいよいよ……!