2007-08-25 たまには読書感想文 雑感 白と黒 (角川文庫)作者: 横溝正史出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 1974/05/21メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (31件) を見る八つ墓村で「金田一耕助何もしてない!」ってよく言われてるのを見るけど、こっちでもなかなかに何もしてなかった。事件が進むのは関係者が名乗り出てくれたり若者グループのインスピレーションだったりで、金田一さんぶらぶらして細かい情報を集めてただけ。犯人は勝手に自滅して死ぬより惨めな目に遭った挙句捕まっちゃうし*1。まあ、この名探偵と誉めそやされてるにしちゃ頼りなさすぎなところもこの人の味なんだろうけどなぁ(笑) 事件がややこしくなったのは、殺人犯とは別に証拠を隠滅した犯人がいたっていうまるっきり犬神家の一族の焼き直し*2。ただ、「白と黒」という言葉と犯人の動機との結び付け方、そしてそのおぞましさはさすが横溝マジック。実に楽しんで書いていらっしゃったのがよくわかる、御自身も出演しちゃってるし。 *1:この場面で「カラス強っ! ていうか寝るなよお前!!」ってツッコんだのは多分100人中90人くらいいるはず。 *2:こっちは被害者の関係者を守るためで、あっちは加害者を守るためという違いはあるけど。