ウルトラセブンX #2「CODE NAME “R”」

かの白倉伸一郎氏にボロクソに哂われたセブンXの第2話。
予想してた通り巨大戦はなしで*1、エイリアンの起こした怪事件を追うジンとケイといった話だった。怪事件が起きて、主役コンビが謎を追って真実に迫り解決されていくのは初期モルダーもスカリーも健在で面白かった頃のX-Fileを思い出す。考えてみれば、怪奇大作戦もこういう路線だったからお家芸と言えなくもないのか。
『今週の一人で過ごした時間』までもがすぐに閲覧できるほど行動が監視・管理され、『健康的で幸福な生活』が押し付けられる世界で、その正しさを信じ過ぎたが故に『自分』というものを見失ってしまった人達と、そこに付け込んでアブダクションを行う宇宙人といった構図に、記憶をなくしながらも世界を守るために戦うジンを絡めた構成はさすが太田愛氏。「自分のやりたいことを殺して健康に生きて、果たしてそれで言われているように幸せなのか?」「それを無視するのはおかしいことなのか?」「ずっと押し殺している心はどうなる?」という問いが重い。それはいいんだけど、今更砂嵐の画面にサブリミナルなんてB級映画トンデモ本でも使わないような手を……(笑)
Rが洗脳やすり替わりや妄信じゃなく、妻が上に書いたような理由で自殺してしまい、それをきっかけに宇宙人に付け込まれて「船が理想郷へ連れて行ってくれると信じたい」という気持ちで動いて結果アブダクションの対象集めとセブンXの無力化に利用されていたのが印象的。それだけに、ウルトラアイをジンに返して始末されてしまう結末が悲しかった。
ケイも、Rの言うことや地球を捨てる人の気持ちが理解できず、理解できない自分はおかしいのかと苛立つ姿がよかった。斜に構えた皮肉屋に見えて、地球を守るために宇宙人を倒すことには真剣だったり結構熱い男なのね。
セブンXの出番はちょっとだったけど、怒りのワイドショットがえらい格好よかったから無問題。ああいう一条の光線が当たる直前に無数に枝分かれするの、前にも何かで見たことあるんだけどなー、なんだったっけ。
以下完全な余談。よく「やっぱネクサスチームの作った作品は」とこれを語ってる人を見るけど、監督でありシリーズ構成も務める八木毅氏はマックスの方に深く関わってた人物だったりする。

*1:変身すらないかもと思ってたから、変身しておまけにワイドショットで円盤撃墜まで披露してくれたのは嬉しい誤算だった。