ウルトラセブンX #4「DIAMOND "S"」

第1話で思わせぶりに出た割には今まで完全スルーされてた、もう一人のメインキャラ、エージェントエスのお話。太田愛脚本だけあってキャラがよく描けてるし、新キャラの紹介編としてよくできてたと思う。サブタイは、エスはダイヤモンドみたいに凄い奴だぜ!』って意味なのかなー。
ペジネラのギミックが凝ってるから仕方ないとはいえ、説明台詞の多さが気になった。特に序盤のケミ・メディックやシャイナー05の効能についてジン達が話すところは、君ら誰に説明してるんですかと(笑) ここはお約束でも、ジンに「ケミ・メディック?」とか言わせといてケイに「お前こんなことまで覚えてないのかよ」って解説させればよかったのに。
エスの噂話をしてやたら怯えるケイと、ちょっと呆れ気味のジンの
「だいたい『エス』っていうコードネームからしてめちゃくちゃヤバそうじゃねぇか」
「でも『エム』よりマシじゃないか?」
「……微妙なとこだな」

に吹いた。お前ら真昼間のカフェテラスでなんて話してやがる(笑) モヒカン刈りとかかなり好き勝手言ってるし。でもモヒカン刈りで潜入捜査は無理だと思うぞケイよ。
そのエスはいきなり引ったくりを叩きのめすという、ベタだけどインパクト十分な登場。気が強すぎるきらいはあるけど、対象に確実に潜入して情報を掴んで、自らの射殺を頼むことも辞さないプロ意識の高さがお見事。
デラックスプリン……やたら無骨なでかさでまた笑ってしまった。あれ一人で食べるのか、ケイよ(笑) 案の定後でエス「デラックスプリン君」っていじられてるし、おいしいキャラになってるなぁ。
あの世界じゃOLにお茶を汲ませるような上司はもう絶滅危惧種らしい。確かによく考えてみたら、地球に来た宇宙人が風習が違う地球人にほいほい違和感なく化けられるわけないし、地球人擬態マニュアルみたいなのが出回ってても不思議じゃないよなー。今回はペジネラが寄生対象に影響されて変わったって話だったから、あの社長が元々そういう性格だったんだろうけど。
今回確かに人間に寄生して商品としてばら撒かれることで増殖を謀っていたのはペジネラなんだけど、その方法に至らせたのが寄生した人間の欲望というのが面白いところ。あんまり深くは切り込まれなかったけど、最後の描写と合わせて人間の欲望が怪物を作ってしまい、一度生まれた欲望は決してなくならないって言いたかったのかなー。
集合して巨大化したペジネラとセブンXの戦いは、今までで一番特撮番組的に見応えがあった。アイスラッガーで小型ペジネラ切り払いとか空中格闘戦とか、プロモでも一部見られた高速スピンで小型ペジネラを振り払いつつアイスラッガー!→受け止められる→すかさず蹴りをぶち込む→アイスラッガーが刺さり、大きく吹っ飛ばされる→エメリウム光線でとどめ!がテンポよくてお見事。短くてもこういうおっと言わされる戦闘があれば満足しちゃう。アイスラッガーの演出が気合入ってて格好よかったー、相変わらず微塵も斬れない以外は。ところで小型ペジネラがやたらかわいかったのは仕様だろうか(笑)
本体が倒されて小型ペジネラも全滅したけど、自分の中からペジネラが出て行かなかったと危惧するエス。そのタネは……ジンが摩り替えてたんでしたとさ。直後にチョコの食べすぎだろなんて茶化して制裁くらったり、珍しくジンまでコメディだった。
最後のアレは……やりたいことはわかるんだけど、正直蛇足。今回くらいすっきり終わってもよかったと思う。