ウルトラセブンX #5「PEACE MAKER」 

大きな争いがなくなっても、人同士の小さな諍いは相変わらず続いている状態を果たして『完全な平和』と言えるのか?
エイリアンが多数侵入して侵略のために暗躍しているのに、『ハッピープラネット』などと浮かれている世界
星を救うはずの力が、結局敵と共に自らも滅ぼしてしまった
滅んだ二つの星を「愚かですね」と言ってたけど、地球だけが平和ならそれでいいのか?

……等々、風刺だらけで見てて疲れた。正直盛り込みすぎて何言いたいかちょっとわからないくらい。結局は、「平和っていったいどういう状態のことを言うんだ?」ってことが言いたかったのかなー。
冒頭、幸せそうな人々を見て地球を守るDEUSのエージェントとして、ウルトラセブンXとして嬉しそうにしてるジンにおもいっきし水を差すエレアにちょっと笑ってしまった。相変わらず言いたいことだけ言ってさっさとどっか行っちゃうし。これがあれか、今流行りのKYてやつですか。
とにかくお人よしで、おまけに弱い亡命エイリアン。きついバイトを幾つもやって汗を流しつつ、「生きていくにはお金が必要ですから」という姿が妙に世知辛いというかなんというか。しかしDEUS本部よ、善良とか弱いとかも大事だけど『みんな同じ顔をしている』ってことを伝えといた方がジン達の精神衛生上よかったんじゃないか(笑)
ボーダ星人は珍しく正統派デザインなエイリアン。中華料理屋のおばちゃん締め上げて第二の口でキシャー!ってやった時は殺っちゃうのか!?と思ったけど、単にビビらせたかっただけなのね。案外紳士的なエイリアンかもしれない(何)
オリファムを保管してた研究所の人が筒井巧氏でびっくりした。ジライヤ、OPで意味もなく窓からオフィスビルに突っ込んでそのまま滑って出てくジライヤじゃないか!
セブンX対ボーダ星人はワイヤーアクションバリバリの戦いで、今更特撮でも特に驚くような映像じゃないんだけどウルトラマンと着ぐるみ宇宙人がやってるのを見るとやっぱり斬新(笑) 等身大だからか、今回はワイドショットが大人しかった。2話の無数に分裂して絡みつくようなのが好きだったのにー。
あれだけ地球に適応して、争いごとには縁がなさそうだったのにオリファムを手に入れた途端に「これで奴らを殲滅できます」などと語る亡命エイリアン。その結末は双方の全滅だったわけで、なんとも言えないなぁ……それを愚かの一言で切り捨てた地球も。なんとも気持ち悪い終わり方で妙に印象に残る話だった。
以下余談。特に裏もなさそうだったし深読みしすぎなんだろうけど、ボーダ星人が一切喋らず状況が亡命エイリアンの口からしか語られなかったから、実は侵略者は亡命エイリアンの方で、ボーダ星人の方が侵略に立ち向かってたレジスタンスじゃないのかなーとか思った。