ウルトラマンメビウス＆ウルトラ兄弟
うっお―――――！ こんちくしょ―――――！ めっちゃくちゃ面白かったぞ―――――！！ 「観に行きたいけど、大人一人でって恥ずかしいなぁ……」とか「DVDで見ればいいか……」とか思ってるウルトラファン、今すぐ観に行け！（命令形
いやー、今年はカブトの映画が燃え面では大いに不満がある出来だったけど、こっちで満足満足だ。世の中上手いことできてる。
真面目な話、『ウルトラ兄弟がメビウスと大活躍！』と『ウルトラ兄弟からメビウスへ、そしてメビウスから子供達へ引き継がれていくもの』の二大テーマを描くことだけが全ての映画なので、意地悪な粗探しをしようと思えばそれこそ山ほど出てくるけどそういうのは全部吹っ飛んじゃう勢いがあった。潰れ屋プロとか陰口叩かれてるけど、まだまだ円谷プロはいけると感じた名作だった。
CGは確かに浮いてる部分もあるにはあったけど、「ウルトラマンでこんな映像が見られるなんて！」な感動と興奮が先にきて全然不快感とか拒否感はなかった。板野一郎氏がインタビューで「半分くらいの人には嫌われるだろうと思うけど、残り半分の人が何かを感じ取って、もっといいものを作ってくれれば」って言ってたし、製作側もある程度の反発があるのは予想済みなんだろう。もし円谷英二氏が今生きててウルトラを作ったら、多分バリバリCGも使ったウルトラマンになっただろうし、こういう方向でウルトラが進化していくのは大賛成。
てゆかおもいっきし見たことある地元が舞台だと思い入れが半端じゃないね！
冒頭いきなりウルトラ四兄弟対Uキラーザウルスの総力戦でメラ燃え。四兄弟の攻撃をものともせずに、逆に圧倒するUキラーザウルスの反則的な強さがすごいいい感じ。触手でオールレンジ攻撃や生体ミサイル全弾発射がものっすごい迫力。ソフビ買ってよかったっ！(何) ヤプールが直々に操ってるだけに、地球を盾にしてウルトラ兄弟が必殺光線を撃てないようにしたり狡猾だし。四兄弟合体光線があっさり避けられたのはアレだったけど、スペシウム光線＆ワイドショットで地球に叩き落すのが格好よかったからまあOK！
神戸の街を見て、ファイナルクロスシールド発動を決意するウルトラ兄弟にまずうるうる。これはシリーズのファンならではの感動。
タイトルバックも、ウルトラマンのようなうねうねで『ウルトラ兄弟』と出て、それを∞の光が突き破って『ウルトラマンメビウス＆ウルトラ兄弟』になるのが素晴らしい。
地球人として地球で暮らす四兄弟の描写でまたうるうる。特に、高峰圭二氏自身が提案したという落ちるグラスを拾う手、その手にはウルトラリングが……な描写が素晴らしい。「いきなりコック姿のおじさんが出てきても観客の人もわからないだろうから、まずはウルトラリングをアップで見せた方がわかりやすいんじゃないか」ということだったらしいけど(笑) 各人の紹介の時に主題歌のアレンジテーマがかかるのもよかった。
さこっち……そうか、さこっちか……。そしてミライの雰囲気がサコミズ隊長に似てるっていうのはまた意味深だぁ。
宇宙人連合、まず青野武氏のザラブ星人で何故か笑いがこみ上げてきた(笑) 郷里大輔氏のテンペラー星人は力馬鹿、中尾隆聖氏のナックル星人は冷酷な策略家と、すぐにキャラがわかったのは脚本の上手さもあるけど声優のイメージのおかげ。
まずは前哨戦なメビウス対テンペラー星人。前座ながら、光の鞭を振り回したり高速空中戦したりと見所十分だった。そしてメビウス強いなー、別人とはいえあのテンペラー星人を苦戦もせずに撃退とは。バリアで攻撃を防御して、すかさずメビュームシュートで反撃する戦法もお見事だったし。あ、テンペラー星人が「ウルトラマンメビウス、出てこーい！」と言ってくれたのが地味によかった(笑)
「人間の感情は複雑だ。宇宙警備隊でそう学ばなかったか？」にはｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ!!って感じだった。地球で暮らすウルトラマン同士の会話は涙もの。ハヤタとダンの「我々ウルトラマンは決して神ではない。どんなに頑張ろうとも、救えない命もあれば、届かない想いもある」「大切なのは、最後まで諦めないことだ」にはウルトラマンとしても、地球人としても年月を重ねてきた重みがある。「どうした、自信をなくしたか？」「理想と違って、現実は厳しかったか？」とちょっと意地悪な郷さんと北斗には笑った(笑) ただ当時の役者さんを出すだけじゃなくて、ハヤタはみんなをまとめるリーダーでダンがその補佐役、北斗は突っ走る熱血漢で郷さんがその間を取り持つ、という四兄弟の関係をきちんと描いてるのがお見事。
「三分間だけ話をしないか？ ウルトラマンが戦っていられる時間」はいかにもメビウスらしい台詞回しだなぁ。
アヤがザラブ星人と遭遇した時の効果音や、毒入りコーヒーまで再現してるザラブ星人の作戦にニヤリ。
アメリカザリガニは想像してたほどウザくなかった、というかごく自然な感じでよかったと思う。少なくともカブトの次長課長よりは遥かにマシだった(笑) 「やっぱお前狙いやろー！ お前戦ってこいやー！」には不覚にも吹いたし。どっちかというと緊迫した状況で「僕も応援してるよ！」と場違いなほどめちゃくちゃ爽やかな空気振りまいてた某KIYOSHIの方が浮いてたというか……(笑)
ま、松永管理官ー、いつの間に神戸市長なんて表の要職にー！？ 着メロはナイトレイダーのテーマだし！(笑) 他にもスーパーGUTSのコウダ副隊長がポートライナー助役、マイ隊員が神戸市長秘書に。みんなえらい転身だ。
ザラブ星人をボコるメビウスを見て、無邪気に「よしっ、やったぞ！」と喜んでる北斗と、メビウスが怒りに我を忘れてることまで見通して危惧してる他の兄弟がらしいなぁ。
メビウス、いくら怒ってるからってバリア張ってる相手に小技連発は頭悪すぎだ(笑) タロウに直々に鍛えられて父から直々に与えられた強力アイテムで戦ってるから戦闘力自体は高いけど、頭脳戦や精神的揺さぶりには極端に弱いみたいだなぁ。
メビウスが十字架に捕らわれた時も、真っ先に助けに行こうとする北斗とそれを冷静に止めるハヤタとダンという構図がしっかりあったのがいいね。郷さんの「……勝てばいいんです！」は格好よすぎ。
新撮の変身シーンは……うーん、ここだけすっごく微妙だった、ウルトラ六兄弟のアレンジはメラ燃えなんだけど(笑) あんまり懐古に凝り固まったことは言いたくないけど、ここだけは昔の方がよかったかなぁ……特に初代マン。当時のものをそのまま使うと、セブンの変身で不自然になるから仕方ないんだけど。
エネルギーが尽きかけていて圧倒的に不利なウルトラ兄弟が、タカトの声援で逆転するのはベタだけどよかった。てゆか帰マンの流星キックとエースのトランポリンキックがまた見られるなんて感動だよ！
宇宙人ダブルフラッシャー吹いた。レオとアストラが出てないからってなにしてやがるナックルとガッツ。
ポートアイランド近くで倒れたミライが一瞬で須磨水族園近くにまで来てるのにはツッコまない方がいいかな、地元民としてはものすごく気になるけど(笑) ……はっ、これが井上ワープというものか！？（違います
復活したメビウスは、ガッツ＆ナックル星人コンビをも圧倒！ 強くなりすぎ！感はあったけどそれ以上にここはスカッとした。特にガッツ星人を倒した直後のナックル星人への空中飛び込みライトニングカウンター・ゼロが。
Uキラーザウルス・ネオはでかすごの一言。第1形態時以上にデタラメな勢いの触手攻撃はもう、すごーとしか。そして「いずれは銀河連邦をもうぎゃあぁぁぁぁぁぁ！？」なナックル星人南無。
タカトの叫びに応えるように、ついにゾフィーとタロウが再び地球にやって来た！ ちゃんとチャラッチャッタチャカチャカチャン！タローウ！ウルトラマン・ナンバー6！のBGMが流れたことに感動。脚本段階でも演出でも拘っただけあって、ホントBGMの使い方が秀逸。
セブン、アイスラッガー手持ちですぱすぱすぱー！→帰マン、ウルトラスパーク2連発ですぱすぱすぱー！→エース、ウルトラギロチンですぱすぱすぱー！→初代マン、八つ裂き光輪ですぱすぱすぱー！→タロウ、地面を横滑りしながら「ストリウム光線！」*1でずどずどずどーん！→ゾフィーがM87光線でずばーん！の流れには、格好よすぎて目眩がした。頭悪い表現でゴメン。
あんな遠くからUキラーザウルス・ネオの頭に閉じ込められたアヤが見えたタカトは視力どんだけあるんだ(笑)
奇跡のウルトラ七重合体で、メビウスインフィニティ誕生！ もうｷｯ!( )ｷﾀ(. ﾟ)ｷﾀ!( ﾟ∀)ｷﾀ!!( ﾟ∀ﾟ )ｷﾀ━━━━━━━!!って心の中で大盛り上がり(笑) やり過ぎなくらい凄まじい板野サーカスの中を飛び回るメビウスインフィニティにもうめろめろ。コスモミラクルアタックに、もっとこうどかーん！感がなかったのが残念。
夕焼けに立つウルトラ七兄弟に感涙。これぞ40年の歴史也。
ウルトラ兄弟が地球に残ってくれたのが、個人的にすっごく嬉しかった。今でもウルトラ兄弟は地球、しかも今住んでる地元で地球人として暮らしているなんて、想像しただけでわくわくする。ガンウィンガーを見送る北斗がTAC式敬礼をやってたのが芸コマ。
EDは、KIYOSHIの『未来』をフルコーラス使ってウルトラシリーズの映像*2や神戸で行われたウルトラマン40周年記念パーティーの様子で締め。ある種楽屋オチなんだけど、楽しそうでよかったと思う。花束もらってはしゃぐダイナがらしすぎてちょっと笑ってしまった(笑)
あー、何度も言うけどほんっと面白かった！ まさに子供達とそのお父さんのために作られた上質のエンターテインメント、ウルトラマンの一つの究極系と言っても過言ではない出来だったと思う。とりあえずもう1回観に行くのは確定で。もしかしたらあと2回は行くかも……
