コードギアス 反逆のルルーシュR2 ＃19「裏 切 り」
ルルーシュやけっぱち、そしてロロ……なお話。
地味にナイトオブトゥウェルブ初登場。皇帝陛下のお付きだったのね。ラウンズであるからにはこの人もナイトメアに乗るんだろうけど、何故だろう、瞬殺される光景しか浮かばないのは。
いやいやいやいや、ニーナ、あんた前回あんだけ撃て撃てって狂ったように喚いてたじゃん！ フレイヤについてあまり知らなかったであろうスザクが生きろギアスで窮地を脱するために撃っちゃったのは仕方ないけど、あんた開発者でしょーが。あれだけの威力の兵器を市街地のど真ん中で使えばどうなるか、わからなかったなんて言い訳はあり得ないぞ。ロイドは優しいからまだ科学を捨てて心を取る道もあるって言ってくれてたが、正直今回の件でルルーシュよりもスザクよりも引き返せなくなったのはニーナだな……
ジェレミアはいい人だなぁ……あくまで敵のスザクとも、ナナリーを心配する者としては普通に接するところが。咲夜子が死んだ？今、カレンと並んで数少ない無条件でルルーシュの味方をしてくれそうな人だけど、どう動くか。
シュナイゼルの狡猾な揺さぶりがあったとはいえ、完全に敵側から出された資料だけで検討も本人を問い詰めることもせずにここまで引っ張り上げてくれたゼロをホイホイ売っちゃう黒の騎士団の幹部は……まあ、所詮元はチンピラに毛が生えたようなテロリスト上がりか。
録音テープと被害者リストはまだ置いといても、フレイヤのことについては黒の騎士団側があまりに短慮。ギアス世界では今まで核兵器クラスの大量破壊兵器なんて無かったわけで、ついこの間完成したばかりのフレイヤを持っていって「自分は重戦術兵器を持っている！ 戦いを止めるんだ！」なんて言っても抑止力になるわけないし、それを信じろっていう方が無理な話。結果論でならなんとでも言えるんだし、これでゼロを責めるのは流石に筋違いもいいところ。
そんな幹部勢と朝比奈にゼロ不信吹き込まれた藤堂はともかく、ディートハルトがあっさり裏切るのはちょっと意外。本人も言ってたように、「ゼロが誰かではなくゼロの起こした奇跡に付いてきた」「ギアスなんて能力があるなら頼もしい」わけだし、日本人が虐殺されようと別にどうでもよさそうだし*1。所詮ゼロも黒の騎士団という駒がなければ何もできないし、自分も道連れにされるくらいなら求心力を失ったゼロを切り捨てる方を選んだってことかな。
扇が日本独立、言わば単独講和を持ち出しちゃったのはハッキリ言って賢い行為でもいい取引でもない、今回最大の過ち。今の黒の騎士団はもう日本独立のためのみに戦うテロ集団ではなく、超合集国の兵力という扱いなんだから日本のためだけに動くのは他の合衆国への背信行為でしかない。たとえ憎きゼロが作った枠組みでも、既にシステムとして出来上がっている以上独断でそれを崩すのは許されないこと。
ついでに言えば、これは皇帝陛下の承認もなくシュナイゼルが勝手に交わした取引で、しかもゼロがいない今黒の騎士団のトップは総司令官の星刻なわけで。シュナイゼルからしてみれば、こんないくらでも反故にできる取引持ちかけられて笑いこらえるのにさぞかし苦労しただろう。所詮知略で敵うわけないとはいえ、あまりにもシュナイゼルに有利に事を進めてしまう愚行だった。扇は凡庸だけど物事の本質は捉えてる賢い人だと思ってたのに、今回でその評価は覆さざるを得ないなぁ。やはり愛は人を狂わせるのか……
ヴィレッタとの愛も、ぶっちゃけヴィレッタはブリタニアに戻るための手柄に扇を利用してるだけなんで今のままだとあっさり射殺されそうね、ヴィレッタが今度こそ扇を振り切るって意味で。つーか騎士団の奴らもツッコめよ、扇に「で、その女誰？」って。
カレンを自分と一緒に死なせないために嘘をついて突き放したり、あれだけ憎んでたロロが自分のために死のうとするのを必死で止めてその死を悲しんだり、この優しさがブリタニアの皇子でもアシュフォード学園の生徒でも黒の騎士団の総帥ゼロでもなくなった、ただのルルーシュの本当の顔なんだろうな。
ロロは……結果的にボロ雑巾のように死んだとはいえ、新しい人生を与えてくれたルルーシュを守るために命を賭けて、『ルルーシュ＝ランペルージの弟』として死ねたのは幸せだったんだろうなぁ。厄介事を起こすだけ起こして自分は綺麗に退場してしまった感は否めないけど。
ルルーシュに本音をぶつけられてもすぐに助けに来たことといい*2、「僕はずっと誰かの道具だった。嚮団の道具で、その次は兄さんの」や最期の「兄さんは嘘つきだから」といい、ロロも自分がルルーシュに好かれていないこと、切り捨てられる駒なんだということを気付いてたんだろうなぁ。あの狂的な言動も、いつかルルーシュと本当の兄弟になれると思ってのことだったのかと思うと共感はできないけど切ない。でもロロはルルーシュを許し、ルルーシュもロロを「そうか、すっかり見抜かれてるな……」からの言葉で許したわけで……最期には、せめてその心は救われたと思いたい。
全てを失ったルルーシュの原点、ロロが命を削り切って繋いでくれた命でやるべきことは、母を見捨て、妹と自分の運命を狂わせたた皇帝への復讐か……同時に狂ったように笑うスザク、余りにも重いものを背負い、引き返せない道へ進んでしまった二人はどうなるのか。
あ、あれー、なんで次回ジノ捕まってるのん？ ここでブリタニアに反逆するとは思えないし、そもそも黒の騎士団は今シュナイゼルにいいように利用されてるとはいえ対ルルーシュで協力関係にあるし。最大の抵抗勢力を切り崩したシュナイゼルが、とうとう皇帝にクーデターを起こすんだろうか。そしたら皇帝直属のラウンズは拘束しといた方が都合がいいだろうし。
