相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

うーん……言いたいことは山ほどあるんだけど、愚痴るばかりもなんなので「こういう大作映画って、やっぱりお金も出るけど制約もそれ以上にあるのね」ということで。それ抜きにしても、アイディアに固執しすぎて歪になってる戸田山氏らしくない脚本は気になったけど。なんか二つの話を混ぜ込んで2時間もたせたみたいな違和感があった。それでも単体の映画として見るなら派手な見せ場やどんでん返しの連続でそこそこ上手くやったとは思うけど、テレビ版を知らなくてこれを観た人に「相棒ってこんなドラマなんだ」とは思って欲しくない出来だったなぁ。
悪かったところはそこら辺にしといて、以下よかったところ。

  • 役者さんの演技は文句なし。特にラストにおける西田敏行氏の迫真の演技は、イマイチな脚本を補うくらい凄いと思った。
  • 登場人物総出演なファンサービス。これは逆にそっちの描写に配分取られて肝心のところで描写が足りなかったという欠点にも繋がってるので微妙なんだけど。
  • 冒頭の空撮〜首吊り死体への流れは、演出的には斬新というものではないけどなかなかゾクゾクきた。
  • メールでの右京さんと犯人との対局は緊迫感十分。
  • モーターボートを追う場面での、亀山と伊丹の名コンビっぷりが面白い。亀山の捜査一課時代は常時こんな感じだったんだろうなーこの二人(笑)
  • 最後に政府の闇が暴かれるのが特命係の与り知らないところで、また決して正義や善意からではなく、あくまで片山雛子が自らの政治の道具として利用するために暴露したというのは相棒らしくてよかった。あの小野田を完全に出し抜いたことになるわけで、片山雛子はとんだ狸だわ。